こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のパーソナルトレーニングジム ORCA PERSONAL GYMの 伊藤 ( @orca_coach ) です。
こちらの記事では、ロードバイクで速くなるための筋トレと、その効果について、研究をもとに解説していきます。
ロードバイクは乗ってナンボと言われますが、筋トレをすると速くなりますか?
脚が太くなって重くなるのも心配です。
以上のように、ロードバイクに乗っている方のご質問にお答えします。
先に結論をお伝えすると、週2回ほどの重めの筋トレで、ペダリングの効率、短時間の最大パワー、そしてロングライド後半の粘りが向上することが研究で示されています。体重もほとんど増えません。一方で、FTP(1時間出し続けられるパワー)が直接上がるかどうかは、研究によって結果が分かれています。
筋トレでロードバイクは速くなる

自転車選手を対象にした17の研究・262人をまとめた報告では、最大重量の80%以上の重い筋トレを5〜25週間行うと、ペダリングの効率、短時間の最大パワー、タイムトライアルなどのパフォーマンスが向上しました。最大酸素摂取量(VO2max)には変化がありませんでした(Llanos-Lagos et al., 2025)。
ロードレーサーを対象にした研究では、ハーフスクワットを4回×4セット、週3回・8週間行っただけで、ペダリングの効率が4.8%、最大有酸素パワーで走り続けられる時間が17.2%向上しました。体重とケイデンスは変わりませんでした(Sunde et al., 2010)。
よくトレーニングされた自転車選手が週2回・12週間の筋トレを加えた研究でも、太ももの筋肉は太くなったものの体重は増えず、40分間の全力走の平均パワーなどが向上しています(Rønnestad et al., 2010a)。
ロングライド後半の「粘り」が変わる
同じ12週間の筋トレを行った研究では、3時間以上(185分)走った後の5分間全力走で、平均パワーが371Wから400Wに向上しました。持久系の練習だけのグループでは変化がなく、筋トレをしたグループは、ロングライド最後の1時間の心拍数や乳酸値、きつさの感覚も低く抑えられていました(Rønnestad et al., 2011)。
股関節を曲げる筋トレも加えた研究では、185分走った後の5分間全力走が7%向上し、ペダルを引き上げるときにブレーキになっている時間が約14%短くなっていました(Hansen et al., 2012)。ペダリングの「スムーズさ」にも筋トレが関わっていると考えられます。
FTPは上がる?
若いエリート選手が25週間筋トレを加えた研究では、乳酸値4mmol/Lでのパワーや40分間全力走の平均パワーが向上し、その伸びはペダルのトルクのピークが早く来るようになったことと関係していました(Rønnestad et al., 2015)。
一方で、研究をまとめた報告では、乳酸が急に増え始める強度(FTPに近い指標)への効果は「はっきりしない」とされています(Rønnestad & Mujika, 2014; Llanos-Lagos et al., 2025)。筋トレは、FTPそのものよりも、効率、最大パワー、長時間走った後のパワーを底上げするものと考えるのがよいでしょう。
スプリントを伸ばすなら、バイク上のダッシュも必要
自転車選手28人を、重い筋トレのグループと短いスプリント練習のグループに分けた6週間の研究では、6秒・30秒のスプリント力は、スプリント練習のグループの方が大きく向上しました。一方、スクワットの最大重量は筋トレのグループだけが向上していました(Kristoffersen et al., 2019)。
50代を中心としたマスターズ世代のロードレーサーの研究では、筋トレとスプリント練習を組み合わせたグループで、30秒間のスプリントの仕事量が向上し、脚の筋肉量も増えていました(Del Vecchio et al., 2019)。スプリントを伸ばしたい方は、ジムでの筋トレで土台をつくり、バイクの上でのダッシュで速さに変えるという組み合わせがおすすめです。
脚が太くなって重くならない?
ここまで紹介した研究では、筋トレで体重が増えたという報告はありませんでした(Rønnestad et al., 2010a; Sunde et al., 2010)。女性の自転車選手の研究では、太ももの筋肉が太くなった人ほど40分間全力走のパワーが伸びていました(Vikmoen et al., 2016)。自転車の推進力を生む脚の筋肉は、むしろ「ある程度太くする」意識でよいと考えられます。
骨の健康のためにも筋トレを
ロードバイクは体重が骨にかかりにくいスポーツのため、ロードバイクだけでは骨を強くする効果がほとんどないことがわかっています。31の研究をまとめた報告では、定期的にトレーニングしている大人のロードレーサーは、腰の骨などの骨密度が低い傾向がありました(Olmedillas et al., 2012)。
マスターズ世代の男性サイクリストを7年間追跡した研究では、84.2%に骨量減少または骨粗しょう症が見られましたが、筋トレや衝撃のある運動をしていた人は骨密度の低下が少なくなっていました(Nichols et al., 2011)。週1回以上の筋トレをしているサイクリストほど、腰や股関節の骨密度が高いという報告もあります(Mathis et al., 2018)。40代・50代からロードバイクを楽しむ方こそ、筋トレを取り入れたいところです。
ロードバイクのための筋トレメニューと頻度
研究では、準備期は週2回、シーズン中は週1回の筋トレで、筋力とパフォーマンスの向上が保たれていました(Rønnestad et al., 2010b)。逆に筋トレを8週間やめると、跳躍力や最大パワーの向上分が失われていきました(Rønnestad et al., 2016)。
また、乗る量が多いと筋力の伸びは小さくなりやすく(Rønnestad et al., 2012)、研究のまとめでも、乗る練習の一部を筋トレに置き換えた研究で、タイムトライアルの成績が向上していました(Yamamoto et al., 2010)。忙しい方は、乗る時間を少し削ってでも筋トレの時間を確保する価値があります。
① スクワット(ハーフスクワット)

太ももが床と平行になる手前まで下げる、ハーフスクワットから始めます。慣れたら4〜6回で限界になる重さで3〜4セット。ペダルを踏み込む力の土台になります。
② ルーマニアンデッドリフト

膝を軽く曲げたまま、お尻を後ろに引いて下ろします。お尻ともも裏を鍛え、前傾姿勢を支える力にもなります。5〜6回×3セット。
③ ブルガリアンスクワット
後ろ足を台にのせ、前脚で深くしゃがみます。ペダリングと同じ片脚の動きで、左右差の改善にも役立ちます。左右6〜8回×3セット。
④ 股関節の引き上げ(ヒップフレクション)
チューブやケーブルを足首にかけ、膝を胸に向かって引き上げます。ペダルを引き上げる動きのスムーズさにつながります。左右10回×3セット。
⑤ ジャンプスクワット

軽くしゃがんで、真上に全力で跳びます。最大パワーの向上を狙います。1回ごとに全力で、5回×3セット。
① 準備期は週2回、シーズン中は週1回で維持
② 4〜6回で限界になる重さを中心に
③ スプリントを伸ばしたいならバイク上のダッシュも
④ 骨の健康のためにも、年間を通して続ける
よくある質問
Q. 筋トレをすると脚が太くなって重くなりませんか?
研究では、筋トレを加えても体重は増えていませんでした。ペダルを踏む脚の筋肉は、ある程度太くなる方がパワーにつながると考えられます。
Q. シーズン中も筋トレを続けた方がいいですか?
研究では、シーズン中は週1回の筋トレで筋力とパフォーマンスの向上が保たれました。8週間やめると、向上分が失われていくことも示されています。
Q. 50代からでも効果はありますか?
あります。マスターズ世代のロードレーサーの研究でも、筋トレとスプリント練習でスプリント力や脚の筋肉量が向上しています。ロードバイクだけでは骨を強くする効果が小さいため、骨の健康のためにもおすすめです。
本記事のまとめ
ロードバイクに筋トレを取り入れると、ペダリングの効率、最大パワー、ロングライド後半の粘りが向上し、体重もほとんど増えません。骨の健康を守るためにも有効です。
準備期は週2回、シーズン中は週1回。ジムで脚の土台をつくり、バイクの上で速さに変えていきましょう。
ORCA PERSONAL GYMでは、ロードバイクやトライアスロンに取り組む方の筋力トレーニングを、練習やレースの予定に合わせてマンツーマンで指導しています。詳しくは持久系スポーツのパーソナルトレーニングのページをご覧ください。乗っていて腰が痛む方はロードバイクで腰が痛い原因の記事も参考にしてください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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