こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のパーソナルトレーニングジム ORCA PERSONAL GYMの 伊藤 ( @orca_coach ) です。
こちらの記事では、ゴルフで肘や手首が痛くなる原因と、その対策について解説していきます。
ゴルフの練習を増やしたら、肘の内側が痛くなってきました。
いわゆる「ゴルフ肘」でしょうか?自分でできる対策はありますか?
以上のように、ゴルフで肘の痛みに悩んでいる方のご質問にお答えします。
アマチュアゴルファーに多い肘のケガ
ゴルフのケガといえば腰のイメージが強いですが、アマチュアゴルファーでは肘のケガも非常に多いことがわかっています。
オーストラリアのアマチュアゴルファー588人を1年間追跡した研究では、ケガの部位は腰(18.3%)に次いで、肘・前腕(17.2%)が多いという結果でした。
参照 : McHardy A, et al. Am J Sports Med. 2007;35(8):1354-1360. doi:10.1177/0363546507300188
また、703人のゴルファーを調べた研究でも、アマチュアでは肘・腰・肩のケガが多く、ケガの82.6%が「使いすぎ(オーバーユース)」によるものでした。
参照 : Gosheger G, et al. Am J Sports Med. 2003;31(3):438-443. doi:10.1177/03635465030310031901
① 肘の内側が痛む:ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
② 肘の外側が痛む:テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
名前は「ゴルフ肘」ですが、ゴルファーでは肘の外側を痛めることも少なくありません。
ゴルフで肘が痛くなる原因
① 練習・ラウンドのしすぎ
先ほどのアマチュアゴルファー588人の研究では、プレーする量が多いほどケガのリスクが高い(オッズ比3.73)ことが報告されています。ケガが起きたのは、スイング中ではインパクトの瞬間(23.7%)が最も多く、次いでフォロースルー(21.5%)でした。
参照 : McHardy A, et al. Am J Sports Med. 2007;35(8):1354-1360. doi:10.1177/0363546507300188
② グリップと前腕への負担
ゴルファー30人を対象にした研究では、グリップの形を変えるだけで、リード側(右打ちなら左腕)の前腕の筋肉の活動が下がることが報告されています。グリップを強く握りすぎることも、前腕の負担を大きくする原因になります。
参照 : Bochnia JM, et al. BMC Musculoskelet Disord. 2024;25(1):668. doi:10.1186/s12891-024-07774-7
③ 手首の筋肉の使い方の左右差
また、スイング中の手首の筋肉の働き方には、左右で違いがあることもわかっています。研究者は、この違いが左右どちらか一方だけを痛めやすい理由かもしれないと考えています。
参照 : Robinson PG, et al. J Sports Sci. 2023;41(17):1596-1604. doi:10.1080/02640414.2023.2285121
① 練習やラウンドの量が多すぎる(オーバーユース)
② グリップを強く握りすぎて、前腕に負担がかかる
③ インパクトの衝撃が、前腕から肘に伝わる
④ 前腕の筋力が、練習量に追いついていない
肘の痛みには「休むだけ」より「鍛える」
肘の痛みが出ると、とにかく休むことを考えがちです。しかし最近は、痛みの出ない範囲で、少しずつ負荷をかけていくトレーニングが勧められています。
肘の外側の痛みに対する12の研究をまとめた報告では、すべての研究で、筋トレによって痛みと握力が大きく改善していました。最も多く研究されていたのは、筋肉を伸ばしながら力を出すエキセントリック(伸張性)トレーニングです。
参照 : Raman J, et al. J Hand Ther. 2012;25(1):5-25. doi:10.1016/j.jht.2011.09.001
ゴルフ肘(肘の内側の痛み)についても、手首を曲げる筋肉のエキセントリックトレーニングで痛みと機能が改善したことが報告されています。ただし、研究の数はまだ少なく、エビデンスの確かさは低いとされています。
参照 : See ZH, et al. Complement Ther Med. 2026;98:103364. doi:10.1016/j.ctim.2026.103364
肘の痛みを防ぐ前腕トレーニング
痛みは10段階で3以下を目安にし、痛みが強くなる場合は中止しましょう。
① リストカール(エキセントリック)

前腕を太ももに乗せ、手のひらを上にして軽いダンベルを持ちます。反対の手で補助しながら手首を曲げ、3〜4秒かけてゆっくり下ろします。15回×3セットが目安です。肘の外側が痛む方は、手のひらを下にして同じように行いましょう。
② タオル握り・タオルしぼり
タオルを中くらいの力で握り、30〜45秒キープします。その後、タオルを雑巾しぼりのように両方向にしぼります(10回×3セット)。痛みが強い日は、握るだけでも大丈夫です。
③ 前腕の回内・回外(ハンマー)
前腕を台に乗せてハンマーの柄を持ち、手のひらを下→上へとゆっくり回します。左右10回×3セットが目安です。柄を短く持つと軽くなります。
① 練習量を急に増やさない
② グリップを強く握りすぎない
③ 練習前に10分以上ウォーミングアップをする
④ 前腕のトレーニングで、練習に耐えられる腕をつくる
なお、夜も痛む、しびれがある、ダフった直後から強く痛むといった場合は、骨折などの可能性もあるため、まずは整形外科を受診してください。
本記事のまとめ
アマチュアゴルファーの肘の痛みは、練習量の多さやグリップ・インパクトによる前腕への負担が主な原因です。
痛みが出たら休むだけでなく、痛みの出ない範囲で前腕を鍛えていきましょう。腰や肩も含めて、カラダ全体でスイングを支えられるようになることが、ケガの予防につながります。腰の痛みについては、ゴルフで腰が痛い原因は股関節と背中?の記事で解説しています。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
