こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のパーソナルトレーニングジム ORCA PERSONAL GYMの 伊藤 ( @orca_coach ) です。
こちらの記事では、ゴルフの飛距離を伸ばすための筋トレについて解説していきます。
飛距離を伸ばしたくて、筋トレを始めようと思っています。
どんな筋トレをすれば飛距離につながりますか?
以上のように、ゴルフの飛距離を伸ばしたい方のご質問にお答えします。
飛距離はヘッドスピードで決まる
ドライバーの飛距離を決めるのは、主にボールの初速です。そしてボールの初速は、ヘッドスピードとミート率(芯で捉えられているか)で決まります。
ミート率を上げるのはスイング練習の役割ですが、ヘッドスピードを上げるには、カラダそのものの「力」と「速さ」が必要です。
実際に、大学ゴルファーが11週間のトレーニングを行った研究では、ヘッドスピードが1.6%上がり、飛距離に換算すると約4.9m伸びたと報告されています。さらに、ショットの安定性やパターの距離感が悪くなることはありませんでした。
参照 : Doan BK, et al. J Strength Cond Res. 2006;20(1):62-72. doi:10.1519/R-17725.1
飛距離と関係が深い3つの力
では、どんな力がヘッドスピードと関係しているのでしょうか。ゴルファーを対象にした20の研究をまとめた分析では、次のような結果が出ています。
① 下半身の筋力(スクワットなどで発揮する力)
② ジャンプ力(下半身を一気に伸ばすパワー)
③ 上半身の爆発的な力(メディシンボールを投げる力など)
中でも、ジャンプで地面を押す力が最も強くヘッドスピードと関係していました。また、上半身はゆっくり大きな力を出すことよりも、素早く力を出すことの方が関係が強いという結果でした。
一方で、柔軟性やバランス能力は、ヘッドスピードとの関係が見られませんでした。ストレッチだけでは飛距離は伸びにくい、ということです。
参照 : Brennan A, et al. Sports Med. 2024;54(6):1553-1577. doi:10.1007/s40279-024-02004-5
参照 : Ehlert A. Eur J Sport Sci. 2021;21(10):1351-1363. doi:10.1080/17461391.2020.1829081
ただし、柔軟性が不要というわけではありません。股関節や胸椎(背中)が硬いと、腰を痛める原因になります。詳しくはゴルフで腰が痛い原因は股関節と背中?の記事で解説しています。
筋トレで飛距離はどれくらい伸びる?
ゴルファーの筋トレの効果を調べた25の研究をまとめた報告では、効果が出た研究でヘッドスピード・ボール初速・飛距離が平均4〜6.4%向上していました。
参照 : Ehlert A. J Sports Sci. 2020;38(23):2720-2731. doi:10.1080/02640414.2020.1796470
さらに、筋トレの方法を比べた報告では、一般的な筋トレだけ(ヘッドスピード+1.6%)よりも、一般的な筋トレとゴルフに近い速い動きのトレーニングを組み合わせた方が、ヘッドスピード+4.1%・飛距離+5.2%と効果が大きいという結果が出ています。
① 期間は8週間ほど
② 3〜4セット × 5〜15回
③ 筋力をつける種目と、素早く動く種目を組み合わせる
参照 : Uthoff A, et al. J Strength Cond Res. 2021;35(9):2651-2660. doi:10.1519/JSC.0000000000004085
実際に、週2回・8週間のウエイトトレーニングとジャンプ系トレーニングで、ヘッドスピードと飛距離が伸びたという研究もあります。
飛距離を伸ばす筋トレメニュー
ここからは、3つの力を伸ばすためのメニューを紹介します。「筋力をつける種目」と「素早く動く種目」をセットで行うのがポイントです。
① スクワット(下半身の筋力)

足を肩幅に開き、背すじを伸ばしたまま、太ももが床と平行になるくらいまでしゃがみます。かかとで床を押すようにして立ち上がりましょう。
最初は自重で10回×3セット。慣れてきたら、ダンベルやバーベルを持って6〜10回で限界になる重さを目安に行います。
② ルーマニアンデッドリフト(お尻・もも裏の筋力)

膝を軽く曲げたまま、お尻を後ろに引くようにして上半身を前に倒し、お尻の力で起き上がります。ダウンスイングで地面を踏ん張る、お尻ともも裏を鍛える種目です。
腰を丸めず、背すじを伸ばしたまま行いましょう。8〜10回×3セットが目安です。
③ ジャンプスクワット(下半身のパワー)

軽くしゃがんだ姿勢から、できるだけ高く真上に跳びます。着地は膝をやわらかく曲げて、静かに降りましょう。
1回ごとに全力で跳ぶことが大切です。回数を重ねて疲れるとスピードが落ちるので、5回×3セットで十分です。
④ メディシンボールの回旋スロー(上半身・体幹のパワー)

壁の横に立ち、メディシンボールを腰の横に構えます。足で地面を押し、腰→胸→腕の順にカラダをひねって、壁に向かって全力で投げます。
スイングと同じ「下から順番に力を伝える」動きを、速く強く行うトレーニングです。左右5回×3セットを目安に、スイングと反対方向も行いましょう。
⑤ 腕立て伏せ(上半身の筋力)

手を肩幅より少し広めにつき、頭からかかとまで一直線のまま胸を床に近づけます。上半身の筋力も、ヘッドスピードとの関係が見られた力の1つです。
10回×3セットを目安に、きつい方は膝をついて行いましょう。
① スクワット:8〜10回 × 3セット
② ルーマニアンデッドリフト:8〜10回 × 3セット
③ ジャンプスクワット:5回 × 3セット
④ メディシンボールの回旋スロー:左右5回 × 3セット
⑤ 腕立て伏せ:10回 × 3セット
筋トレを始める前に気をつけたいこと
飛距離を伸ばしたいからといって、いきなり重い重量や回数をこなすのはおすすめしません。
① 重さよりも、正しいフォームを優先する
② 素早く動く種目は、疲れていない状態で行う
③ 腰や膝に痛みがある場合は、先に痛みの原因を改善する
④ ゴルフの練習も並行して続ける
特に、腰に痛みがある状態で筋トレやジャンプを行うと、痛みが悪化することがあります。まずは股関節や胸椎の動きを確認してから始めましょう。
また、「筋トレをするとカラダが硬くなる」「スイングが崩れる」という心配については、ゴルフに筋トレは必要?必要ない?の記事で詳しく解説しています。
本記事のまとめ
ゴルフの飛距離を伸ばすには、ヘッドスピードを上げることが大切です。研究では、下半身の筋力・ジャンプ力・上半身の爆発的な力がヘッドスピードと強く関係していることがわかっています。
筋力をつける種目と素早く動く種目を組み合わせて、週2回・8週間を目安に続けてみましょう。正しいフォームで行うことが、飛距離アップとケガの予防の両方につながります。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
