こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のパーソナルトレーニングジム ORCA PERSONAL GYMの 伊藤 ( @orca_coach ) です。
こちらの記事では、40代・50代になってゴルフの飛距離が落ちてしまう理由と、その対策について解説していきます。
50代になってから、ドライバーの飛距離が年々落ちてきました。
年齢のせいだと諦めるしかないのでしょうか?
以上のように、年齢とともに飛距離が落ちてきたと感じている方のご質問にお答えします。
年齢とともに飛距離が落ちる理由
結論から言うと、飛距離が落ちる一番の理由は、筋肉の「パワー」が落ちることです。
パワーとは、どれだけ素早く大きな力を出せるかという能力のことです。ゴルフのスイングは1秒ほどの一瞬の動きなので、ゆっくり大きな力を出す「筋力」よりも、このパワーが飛距離に大きく関わります。
① 速く動くための筋線維から細くなる
筋肉は、大きく分けて「速く力を出す筋線維(速筋)」と「長く力を出し続ける筋線維(遅筋)」でできています。
15〜83歳の男性の太ももの筋肉を調べた研究では、筋肉の衰えは25歳ごろから始まり、その後加速していくこと、そして細くなりやすいのは、主に速筋線維であることが報告されています。
参照 : Lexell J, et al. J Neurol Sci. 1988;84(2-3):275-294. doi:10.1016/0022-510x(88)90132-3
② 筋力よりもパワーの方が早く落ちる
さらに、年齢とともに落ちるスピードは、筋力よりもパワーの方が速いことがわかっています。
65〜89歳を対象にした研究では、筋力の低下が年に1〜2%だったのに対し、脚のパワーは年に約3.5%ずつ低下していました。特に男性では、パワーの低下が筋力の低下よりもはっきりと速いという結果でした。
参照 : Skelton DA, et al. Age Ageing. 1994;23(5):371-377. doi:10.1093/ageing/23.5.371
この研究は65歳以上が対象ですが、パワーは筋力よりも早い年代から、急に落ちていくことも報告されています。40代・50代で「最近飛ばなくなった」と感じるのは、このパワーの低下が始まっているサインと考えられます。
参照 : Reid KF, Fielding RA. Exerc Sport Sci Rev. 2012;40(1):4-12. doi:10.1097/JES.0b013e31823b5f13
① 速く力を出す筋線維(速筋)が細くなる
② 筋力よりも先に、パワー(素早く力を出す能力)が落ちる
③ 運動量が減り、股関節や胸椎(背中)が硬くなりやすい
50代・60代でもヘッドスピードは上げられる
「もう年だから」と諦める必要はありません。
55〜79歳の男性ゴルファーが、8週間の筋トレとストレッチを行った研究では、ヘッドスピードが秒速38.0mから38.9mへと向上しました。何もしなかったグループでは、変化は見られませんでした。
参照 : Thompson CJ, Osness WH. J Aging Phys Act. 2004;12(2):144-156. doi:10.1123/japa.12.2.144
※ 論文上のヘッドスピードは時速(85.0→87.1マイル/時、136.8→140.2km/時)で報告されています。本記事では、一般的に使われる秒速(m/s)に換算して記載しています。
また、ゴルファーを対象にした研究をまとめた分析では、ヘッドスピードと最も強く関係していたのはジャンプで地面を押す力など、下半身のパワーでした。年齢とともに落ちやすい力こそ、飛距離に大きく関わっているということです。
参照 : Brennan A, et al. Sports Med. 2024;54(6):1553-1577. doi:10.1007/s40279-024-02004-5
40代・50代からのトレーニングの考え方
年齢とともに飛距離を落とさないためには、若い頃と同じトレーニングをするのではなく、落ちやすい力を優先して鍛えることが大切です。
① 土台になる筋力を維持する
パワーは「筋力 × スピード」です。まずは土台となる筋力を落とさないよう、スクワットやデッドリフトなど、下半身とお尻の大きな筋肉を鍛える種目を続けましょう。
② 「速く動く」トレーニングを少しだけ入れる
年齢とともに最も落ちやすいのは、速く動く力です。ジャンプやメディシンボールを投げるなど、素早く動くトレーニングを取り入れましょう。
ただし、回数を多くこなす必要はありません。1回ごとに全力で、少ない回数(1種目5回 × 3セットほど)で十分です。ゴルフに筋トレが必要な理由は、ゴルフに筋トレは必要?必要ない?の記事で解説しています。
③ 股関節と胸椎の動きを保つ
股関節や胸椎(背中)が硬くなると、スイングが小さくなるだけでなく、腰を痛める原因にもなります。柔軟性のチェック方法とストレッチは、ゴルフで腰が痛い原因は股関節と背中?の記事で解説しています。
④ 回復の時間をしっかりとる
40代・50代になると、若い頃よりも疲労が抜けにくくなります。トレーニングは週2回ほどを目安にし、ラウンドの前日は強度を落とすなど、ゴルフの予定に合わせて調整しましょう。
① スクワットなどで、土台の筋力を維持する
② ジャンプなど「速く動く」種目を、少ない回数で全力で行う
③ 股関節と胸椎の柔軟性を保ち、ケガを防ぐ
④ 週2回ほどを目安に、回復の時間をとる
仕事が忙しく、自分でメニューを考える時間がない方は、パーソナルトレーニングを活用するのも1つの方法です。年齢や体力、ゴルフの予定に合わせてメニューを組むことで、限られた時間でも効率よくカラダを変えることができます。
本記事のまとめ
40代・50代で飛距離が落ちてくるのは、筋力よりも先に「パワー(素早く力を出す能力)」が落ちることが大きな理由です。
しかし、50代・60代からでも、トレーニングでヘッドスピードは上げられます。土台の筋力を保ちながら、速く動くトレーニングを少しずつ取り入れて、年齢に負けないカラダをつくっていきましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
