こんにちは。
名古屋・栄のパーソナルジム「 ORCA PERSONAL GYM 」の伊藤です。
こちらの記事では、ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方と、太もも裏・お尻に効かせるための足幅やつま先の向きを、研究データをもとに解説します。太もも裏とお尻を鍛えたい方、デッドリフト系の種目で腰が疲れてしまう方は、ぜひ参考にしてください。腰に痛みがある方は、無理をせず医療機関に相談してください。
ルーマニアンデッドリフトとは?鍛えられる筋肉

ルーマニアンデッドリフト(RDL)は、立った姿勢からバーベルやダンベルを太ももに沿わせて下ろし、股関節を折りたたむように前に倒れて、また起き上がる種目です。ルーマニアの重量挙げ選手が補強として行っていたことからこの名前がつきました。
| 分類 | 筋肉 | ポイント |
|---|---|---|
| 主働筋 | ハムストリング(太もも裏) | 股関節を曲げたときに強く引き伸ばされながら働く |
| 主働筋 | 大臀筋(お尻) | 起き上がる動作で股関節を伸ばす |
| 安定筋 | 脊柱起立筋(背中) | 背中をまっすぐ保つ |
| 安定筋 | 広背筋・僧帽筋 | バーを体に引きつけておく |
スクワットやレッグプレスなど太もも前が中心になりやすい種目と比べると、ルーマニアンデッドリフトは太もも裏の割合が大きい種目です。下半身の主な種目で太もも裏と太もも前の筋活動の比率を比べた研究でも、ルーマニアンデッドリフトとヒップスラストは、パラレルスクワットより太もも裏の比率が高い結果でした(Veeck et al., 2024)。
デッドリフト・スティフレッグとの違い
| 種目 | スタート位置 | 膝の角度 | 主に効く筋肉 |
|---|---|---|---|
| デッドリフト(通常) | 床から持ち上げる | しゃがむように大きく曲げる | お尻・背中・太もも前・太もも裏 |
| ルーマニアンデッドリフト | 立った姿勢から下ろす | 軽く曲げて固定 | 太もも裏(特に内側)・お尻 |
| スティフレッグデッドリフト | 立った姿勢から下ろす(床近くまで) | ほぼ伸ばす | 太もも裏・お尻(お尻の割合がやや大きい) |
競技歴10年以上のボディビルダーを対象にした研究では、ルーマニアンデッドリフトは半腱様筋(太もも裏の内側)をより刺激し、スティフレッグデッドリフトは大臀筋(お尻)をより刺激しました。さらに、台の上に立って可動域を広げたルーマニアンデッドリフトでは、お尻・太もも裏・背中のすべての筋活動が高くなっています(Coratella et al., 2022)。
スティフレッグデッドリフトのやり方は「スティフレッグデッドリフトのやり方と効果」で、通常のデッドリフトの足幅・手幅の違いは「デッドリフトの手幅や足幅によるフォームの違い」で解説しています。
足幅とつま先の向きで効く場所が変わる
基本の足幅は腰幅(こぶし1〜2個分)です。そのうえで、太もも裏のどこに効かせたいかによって足幅とつま先の向きを調整できます。大学の短距離選手がスティフレッグデッドリフトを行った研究では、次のような違いがみられました(Kawama et al., 2021)。股関節から前に倒れる動きはルーマニアンデッドリフトも同じなので、足の置き方の参考になります。
| 足の置き方 | 研究で高まった筋活動 | こんな人に |
|---|---|---|
| 足幅を広げる(股関節を開く) | 太もも裏の3つの筋肉すべて | 太もも裏全体をしっかり鍛えたい |
| つま先を外に向ける | 大腿二頭筋(太もも裏の外側) | 肉離れが多い外側を鍛えたい |
| つま先を内に向ける | 半膜様筋(太もも裏の内側) | 内側を鍛えたい |
はじめての方は腰幅・つま先まっすぐで正しい動きを身につけ、慣れてから足幅を広げるなどの工夫をしてみましょう。
ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方
基本姿勢
- 足は腰幅、つま先はまっすぐ前に向ける
- バーは肩幅よりこぶし1個分外側を順手で握る
- 胸を張り、肩甲骨を軽く寄せて下げる
- 膝は軽く曲げ、動作中はその角度を保つ
動作の手順
- 息を吸ってお腹に力を入れ、背中をまっすぐに固める
- お尻を真後ろに引きながら、上体を前に倒していく
- バーは太もも→膝→すねに沿わせて下ろす
- 太もも裏が強く伸びたところ(多くの人はすねの中央あたり)で止める
- お尻を前に押し出すように股関節を伸ばし、立ち上がる
下ろす深さは「床まで」ではなく、背中をまっすぐ保てる位置までです。太もも裏の柔軟性によって、止める位置は人それぞれ違います。
よくある間違いと直し方
| 間違い | 起こりやすい問題 | 直し方 |
|---|---|---|
| 膝を完全に伸ばしきる | 膝裏に負担がかかり、腰も丸まりやすい | 膝は軽く曲げて固定する |
| 背中・腰が丸くなる | 腰を痛める・太もも裏に効かない | 下ろす深さを浅くし、胸を張る |
| バーが体から離れる | 腰にかかる負担が大きくなる | バーを太ももとすねに沿わせる |
| 膝を曲げてしゃがんでしまう | 太もも前の種目になってしまう | 膝の角度は変えず、お尻を後ろに引く |
膝を完全に伸ばしきらない
膝をピンと伸ばしきると膝裏に負担がかかり、太もも裏が硬い方は背中が丸くなりやすくなります。膝は軽く曲げた状態で固定し、動作中に角度を変えないようにしましょう。
背中や腰を丸めない
腰が疲れる一番の原因です。背中が丸くなると、太もも裏ではなく腰で重さを支えることになります。背中が丸くなる手前で動作を止め、胸を張ったまま起き上がりましょう。
バーを体から離さない
バーが体から離れるほど、腰にかかる「てこ」の力が大きくなります。わきを締め、バーで太ももをなでるように下ろしてください。
重量・回数・セット数の目安
| 目的 | 重さの目安 | 回数 | セット数 | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| はじめて・フォーム習得 | 余裕をもって正しく動ける重さ | 8〜12回 | 1〜3セット | 1〜2分 |
| 筋肥大(ボディメイク) | 6〜12回で限界になる重さ | 6〜12回 | 3〜6セット | 1〜2分 |
| 筋力アップ(競技力) | 1〜6回で限界になる重さ | 1〜6回 | 3〜5セット | 3〜5分 |
| 筋持久力 | 最大の40〜60% | 15回以上 | 2〜3セット | 90秒未満 |
上の目安は、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の筋力トレーニングに関する公式見解をもとにしています。ルーマニアンデッドリフトは太もも裏が強く引き伸ばされるため、翌日以降に筋肉痛が出やすい種目です。はじめは軽めの重量で8〜12回から始めましょう。
なお、太もも裏は膝を曲げる働きもあります。ルーマニアンデッドリフトのような股関節の種目より、レッグカールやノルディックハムストリングのような膝を曲げる種目のほうが、太もも裏の筋活動が高い部位もあることがわかっています(Stevens et al., 2022)。両方を組み合わせるのがおすすめです。
スポーツ選手にルーマニアンデッドリフトをすすめる理由
太もも裏は、スプリントやジャンプ、ペダリングの引き上げなどで大きな力を出す筋肉です。ルーマニアンデッドリフトで股関節から動く感覚を身につけると、太もも前に頼りすぎない体の使い方ができるようになります。
特にロードバイクやランナーは太もも前が強く、お尻や太もも裏が弱い傾向があります。持久系トレーニングに筋トレを組み合わせると自転車とランニングの経済性が向上することも報告されており(Rønnestad & Mujika, 2014)、バランスよく鍛えることが大切です。
自己流のフォームでは、狙った筋肉に効かないだけでなく、腰や膝を痛める原因にもなります。ORCA PERSONAL GYMでは、完全個室・マンツーマンで、フォームを1つずつ確認しながら指導しています。
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よくある質問
Q. ルーマニアンデッドリフトで腰が痛くなるのはなぜですか?
背中が丸くなっている、バーが体から離れている、重量が重すぎる、の3つが主な原因です。背中をまっすぐ保てる深さで止め、バーを太ももとすねに沿わせて下ろしましょう。痛みが続く場合は中止して医療機関に相談してください。
Q. ルーマニアンデッドリフトとスティフレッグデッドリフトの違いは何ですか?
ルーマニアンデッドリフトは膝を軽く曲げて固定し、スティフレッグデッドリフトは膝をほぼ伸ばしたまま行います。研究では、ルーマニアンデッドリフトは太もも裏の内側(半腱様筋)を、スティフレッグデッドリフトはお尻をより刺激しました。
Q. 足幅はどれくらいがいいですか?
基本は腰幅です。足幅を広げると太もも裏全体の筋活動が高まるという研究があります。また、つま先を外に向けると太もも裏の外側、内に向けると内側がより働きやすくなります。
Q. どこまで下ろせばいいですか?
床まで下ろす必要はありません。背中をまっすぐ保ったまま、太もも裏が強く伸びるところまでが目安です。多くの方はすねの中央あたりになります。
Q. ダンベルでもできますか?
できます。ダンベルを両手に持ち、太ももの前に沿わせて同じように行いましょう。片脚で行うシングルレッグ・ルーマニアンデッドリフトにすると、お尻の筋肉とバランス能力もより鍛えられます。
Q. 何回・何セットやればいいですか?
はじめての方は8〜12回を2〜3セットが目安です。筋肥大が目的なら6〜12回で限界になる重さで3セット以上、筋力アップが目的なら1〜6回で限界になる重さで3〜5セット行いましょう。
本記事のまとめ
ルーマニアンデッドリフトは、膝を軽く曲げたまま固定し、お尻を後ろに引いて股関節から前に倒れる種目です。研究では、スティフレッグデッドリフトより太もも裏の内側(半腱様筋)がよく働き、足幅を広げると太もも裏全体の筋活動が高まることが示されています。
腰が疲れてしまう人の多くは、背中が丸い・バーが体から離れている・重量が重すぎる、のいずれかが原因です。下ろす深さは背中をまっすぐ保てる位置までにとどめ、レッグカールなど膝を曲げる種目と組み合わせると、より効果的に太もも裏を鍛えられます。
- Coratella G, Tornatore G, Longo S, Esposito F, Cè E. An electromyographic analysis of Romanian, step-Romanian, and stiff-leg deadlift: implication for resistance training. Int J Environ Res Public Health. 2022;19(3):1903. doi:10.3390/ijerph19031903
- Kawama R, Takahashi K, Wakahara T. Effect of hip joint position on electromyographic activity of the individual hamstring muscles during stiff-leg deadlift. J Strength Cond Res. 2021;35(Suppl 1):S38-S43. doi:10.1519/JSC.0000000000003442
- Veeck F, de Vargas JS, Godinho RAT, et al. Hamstring-to-quadriceps activation ratio during lower-limb strengthening exercises. Res Sports Med. 2024;32(5):843-856. doi:10.1080/15438627.2023.2286355
- Stevens BM, Nichols BR, Doty HI, Korak JA. Muscle activation patterns of the proximal medial and distal biceps femoris and gluteus maximus among 6 hip extension and knee flexion exercises in trained women. Int J Exerc Sci. 2022;15(1):1179-1189. doi:10.70252/DWMB8342
- American College of Sports Medicine. Progression models in resistance training for healthy adults. Med Sci Sports Exerc. 2009;41(3):687-708. doi:10.1249/MSS.0b013e3181915670
- Rønnestad BR, Mujika I. Optimizing strength training for running and cycling endurance performance: A review. Scand J Med Sci Sports. 2014;24(4):603-12. doi:10.1111/sms.12104


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