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オスグッド・シュラッター病の原因と治し方|成長期の膝の痛みを研究から解説

こんにちは。

名古屋・栄のパーソナルジム「 ORCA PERSONAL GYM 」の伊藤です。

こちらの記事では、成長期の子供に多い膝の痛み「オスグッド・シュラッター病」の原因と対処法を、研究データをもとに解説します。サッカーやバスケットボールなどを頑張るお子さまの膝の痛みに悩む、保護者や指導者の方は参考にしてください。

ORCA PERSONAL GYM 代表トレーナー 伊藤透
WRITTEN BY 伊藤 透TORU ITO ORCA PERSONAL GYM 代表トレーナー

NSCA認定パーソナルトレーナー/健康運動指導士

目次

オスグッド・シュラッター病とは

オスグッド・シュラッター病(通称:オスグッド)は、膝のお皿(膝蓋骨)の少し下、すねの骨の出っ張り(脛骨粗面)に痛みや腫れが出る、成長期の子供に多いスポーツ障害です。主に小学校高学年から中学生の時期に起こり、サッカーやバスケットボールなど、走る・跳ぶ・止まる・方向を変えるといった動きを繰り返すスポーツで多く見られます。

スポーツをしている子供としていない子供を比べた研究では、オスグッドの経験がある割合はスポーツをしている子供で21.2%、していない子供で4.5%と、約5倍の差がありました。また、ブラジルの青少年を対象にした調査では、全体の9.8%にオスグッドが見られています。

参照 : Kujala UM, et al. Osgood-Schlatter’s disease in adolescent athletes. Retrospective study of incidence and duration. Am J Sports Med. 1985 doi:10.1177/036354658501300404

オスグッドの原因

すねの骨の出っ張りには、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が膝蓋腱を介してつながっています。成長期のこの部分はまだ骨が十分に固まっておらず、走ったり跳んだりするたびに大腿四頭筋に強く引っ張られることで、痛みや炎症が起こると考えられています。

では、なぜ同じスポーツをしていても、痛くなる子とならない子がいるのでしょうか。研究では、次の2つが大きく関係していると考えられています。

1. 太ももの前の筋肉が硬い

先ほどのブラジルの調査では、太ももの前の筋肉(大腿直筋)が硬い子供は、そうでない子供に比べてオスグッドになるリスクが約7倍でした。日本のサッカー選手を対象にした研究でも、大腿四頭筋の柔軟性の低下が発症と関係することが報告されています。成長期は骨が先に伸び、筋肉の伸びが追いつかないため、もともと太ももの前が硬くなりやすい時期でもあります。

参照 : de Lucena GL, et al. Prevalence and associated factors of Osgood-Schlatter syndrome in a population-based sample of Brazilian adolescents. Am J Sports Med. 2011 doi:10.1177/0363546510383835

参照 : Nakase J, et al. Arch Orthop Trauma Surg. 2015 doi:10.1007/s00402-015-2270-2

参照 : Watanabe H, et al. Orthop J Sports Med. 2018 doi:10.1177/2325967118792192

2. 股関節を使えず、膝に頼った動きになっている

ジャンプの着地やストップの動作で、お尻や太ももの裏(股関節)をうまく使えないと、そのぶん太ももの前の筋肉ばかりで体を支えることになります。現場でオスグッドに悩む子供を見ていると、膝が前に大きく出る「膝に頼った動き」をしていることが多く、これが大腿四頭筋の負担と硬さにつながっていると考えられます。

オスグッドの治し方|まずは負荷の調整から

オスグッドの治療は、手術ではなく、運動量の調整やストレッチ、筋力トレーニングなどの保存療法が中心です。痛みが強い時期に無理をして練習を続けると、長引く原因になります。

参照 : Vaishya R, et al. Apophysitis of the tibial tuberosity (Osgood-Schlatter disease): a review. Cureus. 2016 doi:10.7759/cureus.780

デンマークで行われた研究では、痛みの程度に合わせて運動量を調整しながら、段階的に筋力トレーニングを行うプログラムを実施しました。その結果、12週間後には80%、12か月後には90%の子供が「改善した」と回答しています。一方で、スポーツに復帰できた割合は12週間後で16%、12か月後で69%と、完全な復帰には時間がかかることも示されました。

参照 : Rathleff MS, et al. Activity modification and knee strengthening for Osgood-Schlatter disease: a prospective cohort study. Orthop J Sports Med. 2020 doi:10.1177/2325967120911106

「成長が止まれば治る」とは限らない

オスグッドは「成長期が終われば自然に治る」と言われることがありますが、ある研究では、発症から約4年後でも60.5%の人に膝の痛みが残っていました。痛みを我慢してプレーを続けるのではなく、早めに負荷を調整し、原因となる体の状態や動きを改善していくことが大切です。

参照 : Guldhammer C, et al. Long-term prognosis and impact of Osgood-Schlatter disease 4 years after diagnosis. Orthop J Sports Med. 2019 doi:10.1177/2325967119878136

自宅でできるオスグッドのセルフケア

ここからは、太ももの前の硬さをやわらげ、股関節を使った動きを身につけるためのセルフケアを紹介します。どの種目も、痛みが強くならない範囲で行ってください。

1. フォームローラーで太ももの前をほぐす

大腿四頭筋が硬くなり膝蓋腱が引っ張られていると、痛みでストレッチがうまくできないことがあります。そのような場合は、先にフォームローラーで太ももの前をほぐしておくと、ストレッチが行いやすくなります。

YouTube にて動作確認 ( 動画はこちら )
実施方法

うつ伏せになり、太ももの前をフォームローラーに当てます。体重をかけた状態で体を上下に動かし、脚の付け根・太ももの真ん中・膝の上の3か所に分けて、それぞれ20〜30秒ほど行います。膝の上の内側と外側も分けて転がしましょう。

フォームローラーの効果や他の部位の使い方は、フォームローラーの効果と使い方の記事でくわしく解説しています。

2. 太ももの前のストレッチ

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実施方法

膝を曲げて、手でつま先(足の甲)を持ち、かかとをお尻に近づけます。バランスが取りにくい場合は、壁に手をついて行っても大丈夫です。立って行うのが難しい場合は、横向きに寝た状態で行いましょう。20〜30秒を目安に、左右とも行います。

3. グッドモーニング(お尻・太ももの裏)

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実施方法

頭の後ろで両手を組み、背すじをまっすぐに伸ばします。膝を軽く曲げたまま、お尻を後ろに引くようにして上半身を前に倒し、太ももの裏が伸びたところでお尻の力で起き上がります。太ももの裏のお尻に近い部分が伸びていれば、正しくできています。

この種目は、太ももの裏の柔軟性と筋力を高めるだけでなく、膝ではなく股関節から体を折りたたむ感覚を身につけるのに役立ちます。

4. ハーバードステップ(股関節を使った昇り降り)

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実施方法

台に片足をのせ、すねを垂直に保ったまま台に乗り上がります。降りるときもすねを垂直にしたまま、お尻を後ろに引くようにして降ります。膝が前に出ないように注意しましょう。

この種目では、お尻と太ももの裏の筋力を高めながら、膝が前に出すぎない股関節中心の動きを練習できます。ジャンプの着地やストップの動作で、膝にかかる負担を減らすことにつながります。

こんな場合は医療機関へ

安静にしていても痛む、腫れや熱感が強い、膝を曲げ伸ばしできない、片側だけでなく急に強い痛みが出た、といった場合は、ほかのケガの可能性もあります。セルフケアの前に、整形外科を受診してください。

本記事のまとめ

オスグッド・シュラッター病は、スポーツを頑張る成長期の子供に多い膝の痛みで、スポーツをしていない子供に比べて約5倍起こりやすいことがわかっています。その背景には、太ももの前の筋肉の硬さと、股関節を使えず膝に頼った動きがあり、特に太ももの前が硬い子供では発症のリスクが約7倍に高まります。

治療の基本は、痛みに合わせて運動量を調整しながら、ストレッチや筋力トレーニングを段階的に進めることです。この方法で多くの子供の症状は改善しますが、完全なスポーツ復帰には1年近くかかることもあり、成長期が終わっても痛みが残るケースも少なくありません。フォームローラーやストレッチで太ももの前をやわらかくしつつ、グッドモーニングやハーバードステップで股関節を使った動きを身につけ、早めに対処していきましょう。

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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

伊藤 透のアバター 伊藤 透 ORCA PERSONAL GYM 代表

NSCA認定パーソナルトレーナー/自転車競技コーチ。運動指導歴16年。名古屋・栄(久屋大通駅徒歩1分)の完全個室パーソナルジムで、ボディメイク・ゴルフ・持久系スポーツのカラダづくりを指導。「あなたの『変わりたい』を、結果につなげます。」

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