【カラダ】Joint by Joint Approach について
こんにちは。
名古屋栄・久屋大通のパーソナルトレーニングジム ORCA ( @fitness_orca ) の伊藤です。
こちらの記事では、カラダの動かし方について解説していきます。
⚫︎ 質問
体を動かすため考え方の一つに、joint by joint approach というものがあると聞きました。
どのように体を動かす考え方なのか、教えてください。
以上のように、カラダの動かし方を知りたいと考えられている方のご質問にお答えします
✔︎ この記事の内容について
・ Joint by Joint Approach について
・ Joint by Joint Approach の例
Joint by Joint Approach とは
Joint by Joint Approach (ジョイント・バイ・ジョイント・アプローチ)とは、アメリカのストレングス&コンディショニングコーチの Michael Boyle と理学療法士の Grey Cock によって提唱されたJoint by Joint Theory (ジョイント・バイ・ジョイント理論)に基づいて、効率的にカラダを動かせるようにコンディショニングをおこなうアプローチになります。
Joint by Joint Theory とは、ファンクショナルトレーニングの5大原則のうちの一つである分離と協同に基づいた考え方です。
【ファンクショナルトレーニングの5大原則】
>> Gray Cock の書物はこちら
① 重力を利用する
② 分離(Dissociate)と協同(Integrate)
③ キネティックチェーン (kinetic Chain)
④ 3面運動(3Dimension Movement Pattern)
⑤ 力の吸収(Loading)と発揮(UnLoading)
この Joint by Joint Theory では、ヒトの関節に2つに分類されると考えられています。
⚫︎ Mobility Joint (モビリティ関節)
: 動かすことに適している関節
⚫︎ Stability Joint (スタビリティ関節)
: 安定させたい関節
この2つの関節は、交互に連なっていると考えられており、それに基づいて体を動かせるよう、競技特異的動作の指導およびフィジカルトレーニング&コンディショニングを行うものが、Joint by Joint Approach となります。
Joint by Joint Approach と競技動作の例
ゴルフのスイング動作を例に、Joint by Joint Approach を考えます。
多くの人はスイング動作をおこなう際は「腰をひねる」とイメージされることがありますが、実は腰である腰椎は5〜7度程度だと言われています( 参照 : 運動運動の機能解剖学より )。これを分度器で見てみると、思った以上にひねることができないと理解できます。
しかし、隣接する胸椎の回旋角度は30〜35度、更には股関節の回旋角度は内外旋に対してそれぞれ45度程度回旋すると言われます( 参照 : 運動運動の機能解剖学より )。腰を回旋しているように見えるゴルフのスイング動作は、実は腰ではなく股関節と胸椎を中心に捻っているのです。
ですが、以上を理解せずに無理に腰を捻り続けると、腰に大きな負担がかかり、いつしか慢性的な腰痛を抱えるようになります。現に腰痛の発症率は、アマチュア(生涯スポーツとして楽しまれるゴルファー)で15~35%、プロでは最大55%ものゴルファーが腰痛関連の怪我を発症していると考えられており、その原因の一つに股関節の柔軟性低下が関与しているとも考えられているのです。( 参考文献はこちら )
「なぜ股関節の柔軟性が低下すると腰を痛めるのか?」と疑問に思われる方もいると思いますが、股関節が回らないことで、代わりに腰や膝が無理に回旋しようとする動きが生まれます。これを代償動作と言いますが、その連続で腰にストレスが掛かり痛めるということが考えられるのです。
健康的にゴルフを、そしてスポーツを楽しむためには、こうした身体動作の考え方を理解しながら体を動かし、動かせない場合は筋力や柔軟性を高めるなど、代償動作を起こさずにパフォーマンスが発揮できる体へ導く必要があります。
本記事のまとめ
スポーツを楽しむためには、パフォーマンスを高めるだけでなく、怪我をしないように続ける必要があります。
そのための一つの考え方にJoint by Joint Approach があり、この考え方を理解することで代償動作を防ぐだけでなく、適切なパフォーマンス(スキル)の習得ができるようになるため、健康的にスポーツを楽しみ続けることができます。
これらは競技練習では改善されないことも多いので、何か自身に引っ掛かることがあればストレングス & コンディショニングを取り入れて改善を図りましょう。
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この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!